【日本書紀歌謡入門講座 第二回】のタイトルは《スサノオノミコトの歌》。 日本神話における「スサノオノミコト」は、知れば知るほど魅力ある男性神で ある。天上界では悪さの限りを尽くし、地上界に降ろされたスサノオノは、出 雲の地で、善良勇敢なヒ-ローにモタメルフォーゼ(変身)して大活躍する。
歌・龍笛は、世界的なフルート奏者の久保 順先生です。素敵な歌声、龍笛 の音色にご期待下さいますよう。
「記紀歌謡」の第一番歌は、スサノオノミコトの歌である。
【古事記歌謡第一番歌】
《 やぐもたついづもやへがきつまごみに やへがきつくるそのやへがきを 》 八雲立つ 出雲八重垣 妻籠に 八重垣作る その八重垣を
【日本書紀歌謡第一番歌】
《 やぐもたついづもやへがきつまごみに やへがきつくるそのやへがきゑ 》 八雲立つ 出雲八重垣 妻籠に 八重垣作る その八重垣ゑ
記紀で同じ歌謡ながら、【その八重垣を】と【その八重垣ゑ】の違いがあり ます。つまり【を】と【ゑ】です。この疑問に答えるにはまた別の次元のお話 が必要になりますから次回に致します。一番大切なことは、古事記と日本書紀 の一字一音表記が根本的に異なる事実を良く観察することです。
【古事記歌謡・一字一音】
夜久毛多都 (八雲立つ)
伊豆毛夜幣賀岐 (出雲八重垣)
都麻碁微爾 (妻ごみに)
夜幣賀岐都久流 (八重垣作る)
曾能夜幣賀岐袁 (その八重垣を)
【日本書紀歌謡・一字一音】
夜句茂多兔 (八雲立つ)
伊弩毛夜覇餓岐 (出雲八重垣)
兔摩語昧爾 (妻ごみに)
夜覇餓枳都倶盧 (八重垣作る)
贈廼夜覇餓岐廻 (その八重垣ゑ)
第二回入門講座、「縄文の母音」について。
1合掌土偶、2縄文のビーナス、3中空土偶のそれぞれの口元の形から、ど のような母音がもっとも近似値であるか、ご一緒に考えましょう。
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