【日本書紀歌謡入門講座 第三回】

 
【日本書紀歌謡入門講座 第三回】は11月17日(土)。
尺八・低音の魅力は、田中黎山先生です。ご期待下さいますよう。
 
「聖徳太子(厩戸皇子=うまやどのみこ)は存在したのか」がテーマです。
最高の知性と独創性を兼ね備えた聖徳太子は、一方では心優しい方でした。それを証明するのが『日本書紀巻二十二』に記す聖徳太子の歌謡です。
 《613年、聖徳太子が片岡山に遊行(布教のため巡り歩く)した時、飢(う)えた旅人が道に臥(ふ)していた。姓名(せいめい)を問うても答えない。
聖徳太子はこれを見て飲み物と食物を与え、衣を脱いでその人を覆(おお)ってやり、「安らかに寝ていなさい」と語りかけた。》
聖徳太子は次の歌を詠んだのです。
 
《しなてる 、片岡山(かたおかやま)に、飯(いひ)に飢(ゑ)て 、
臥(こ)やせる、その旅人(たびと)あはれ 。
親無しに、汝(なれ)生(な)りけめや、さす竹の、君はや無き。
飯(いひ)に飢(え)て、臥(こ)やせる、その旅人あはれ。》
 
 今から1400年以前の歌謡とは一体、どのような旋律(メロディー)を持って歌われていたのでしょうか。音楽的復興の研究により新たに甦った古代歌謡。そのゆったりとした【母音の音楽】を現代の人々にお届けしたいと思います。

佐藤 溯芳(さっぽう)

人間魚雷「回天」についての研究と日本書紀・古事記の歌謡を読み解く第一人者、佐藤溯芳(さっぽう)の経歴、活動についてご紹介致します。

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