「ヒストリア・天皇秘歌」♪日本書紀歌謡レクチャーコンサート♪詳細

日時:2019年1月5日(土)14:00〜16:00
「ヒストリア・天皇秘歌」♪日本書紀歌謡レクチャーコンサート♪
・レクチャー:佐藤溯芳(和歌山大学国際観光学客員特別フェロー)
・龍笛奏者:久保順(世界的なフルート奏者、ジュリアード音楽院学士号、
ニューヨーク大学音楽教育修士デュプロマ、最高賞受賞多数)
・筝奏者:内藤美和(桐朋学園芸術短期大学日本音楽専修、生田流師範、第七回ルーマニア国際音楽コンクールアンサンブル部門第一位、ヤマハ音楽講師)
1、岩笛(いわぶえ) 古代の神降ろしは岩笛の音色を依代(よりしろ)と。
2、龍笛独奏 ♪春鶯囀(しゅんのうでん)の遊声(ゆうせい)♪
雅楽の名曲。春の野山にウグイスが囀(さえず)り遊ぶような音色。
 
3、筝独奏 ♪春の海♪ 
8歳で失明した宮城道雄が1930年の歌会始の勅題「海辺の岩」にちなみ作曲、瀬戸内の美しい穏やかな風景をイメージした名曲。
 
4、日本書紀歌謡より ♪スサノオノミコト(素戔嗚尊)の歌♪
《八雲立つ 出雲八重垣 妻籠めに 八重垣作る その八重垣ゑ》
神代の英雄・素戔嗚尊(スサノヲノミコト)は出雲の地でヤマタノオロチを
退治し、奇稲田姫(クシナダヒメ)を娶り、神殿を建てます。その時、天に
オーロラが現れ素戔嗚尊と奇稲田姫を言祝(ことほ)ぎます。清清しい心の
歓びを歌い挙げます。
 
5、日本書紀歌謡より ♪ヤマトタケル(日本武尊)の望郷の歌♪
《倭(やまと)は 国のまほろば たたなづく 
青垣(あおがき) 山隠れる 倭し美(うるは)し》
ヤマトタケルは、美夜受比売(みやずひめ)の枕元に神器「草薙の剣」を置いたまま、伊吹山の神(大きな白い猪)を退治に行かれました。山の神はタケルに激しい氷雨を降らせて打ち惑わします。この不覚の戦いに敗れたヤマトタケルは《望郷の歌》=《思國歌(くにしのびうた)》を遺して亡くなられました。
休憩(15分)
6、筝独奏 ♪乱(みだれ)♪
一曲中のテンポが様々に変化する筝の古典的名曲です。
 
7、龍笛独奏 ♪越殿楽(えてんらく)♪
雅楽の曲のなかで最も有名な曲、舞は絶えて曲のみ現存。越殿(天)楽に歌詞
をつけたのが『越天楽今様』であり、最も有名なのが『黒田節』です。
 
8、日本書紀歌謡より ♪厩戸皇子(うまやどのみこ)=聖徳太子の歌♪
《しなてる 、片岡山(かたおかやま)に、飯(いひ)に飢(ゑ)て、
臥(こ)やせる、その旅人(たびと)あはれ 。
親無しに、汝(なれ)生(な)りけめや、さす竹の、君はや無き。
飯(いひ)に飢(え)て、臥(こ)やせる、その旅人あはれ。》
西暦613年、聖徳太子が片岡山に遊行(布教のため巡り歩く)した時、飢(う)
えた旅人(たびと)が道に臥(ふ)していた。姓名(せいめい)を問うても
答えない。聖徳太子はこれを見て飲み物と食物を与え、衣を脱いでその人を
覆(おお)い、「安らかに寝ていなさい」と語りかけた。そしてこの歌を詠ん
だのです。太子は冠位十二階や憲法十七条を作成した日本史上最高の知性を
持つ方であり、また、思い遣り溢れる心優しい方でもありました。
 
9、日本書紀歌謡より ♪枯野(からの)の琴♪
《枯野を 塩に焼き 其が余り 琴に作り 掻き弾くや 
由良の門の 門中の 海石に 振れ立つ なづの木の さやさや》 
淡路島に香木の巨樹が流れ着き、枯野(からの)という船を造った。長年、宮殿に清水を運ぶ役目も終わったので、それを燃やして塩を作らせた。それでもどうしても焼けない芯が余った。天皇が琴を作りなさいと命じた。その琴を弾くとあまりにも澄み切った音色であった。それはあたかも、由良の海峡の海深く、岩礁に生えている海藻が波に揺れるようである。琴の音は♪さやさや、さやさや、さやさや、さやさや♪、と爽やかにいつまでも鳴り響いています。
えも言われぬ琴の音色を、二重のオノマトペで表現した琴の歌物語です。

佐藤 溯芳(さっぽう)

人間魚雷「回天」についての研究と日本書紀・古事記の歌謡を読み解く第一人者、佐藤溯芳(さっぽう)の経歴、活動についてご紹介致します。

0コメント

  • 1000 / 1000